「人生なんて、たったひとつの出来事で変わっちまうもんだ」
普段、読んでいるまんがとは何か違う雰囲気を感じさせる新鮮さが魅力。絵が独特でジャケ買いしたまんがでしたが大当たりだった。
三巻完結でサクッと気軽に読めるので、ぜひ読んでみてほしい。
あらすじ
ある日、地下鉄車内でロンドン市長が殺された。その日たまたま同じ地下鉄に乗っていた平凡な大学生アルの上着のポケットにはなぜか血まみれのナイフが―――。
事件の捜査で訪れたのは過去の冤罪事件で苦しむワケあり刑事・エリス。徐々に明らかになるアルとエリスの過去とそこに潜む真犯人の影。異色なふたりがタッグを組み事件の真相に迫る。
どんなまんが?
- 作画のタッチがロンドンの街の静けさと相まって心が落ち着く雰囲気だが、ストーリーは緊張感が張り詰めた心落ち着かないサスペンス。
- 洋画のサスペンスが好きな人には特にオススメ!テンポが良く淡々と進むストーリーで一本の映画を見終わったような満足感。
- シンプルな線で描かれた個性的なタッチはアメコミを感じさせる。独特なコマ割りがサスペンスに必要な「間」や、その人物の心理描写を感じさせてくれて面白い。
シビれる伏線回収
まんがの始まりの何気ないワンシーンに「人生なんてたったひとつの出来事でかわっちまうもんだ…」というホームレスのセリフがある。
この一言はこの作品においてすごく象徴的で、登場人物のほとんどにこのセリフがあてはまる背景が見え隠れする。
ラストシーンではこのセリフに対するアンサーが、これまた何気ないシーンでサラッと出てくるのだが、予想外過ぎてハッとさせられる。
このシーンでは登場人物はもちろん、読者もハッとさせられること間違いなし。まんがと同じ表情をしていることだろう。
映画を感じさせるまんが
シーンの移り変わりであったり切り取り方、コマ割りの使い方が新鮮でセリフのない場面も多く雰囲気がある。表情もいろいろな角度から表現されていて、いい意味でまんがっぽくなく映像をみているような感覚。派手ではなくどこか素っ気ないようなストーリーだがそこがリアルで良い。
アルとエリスが一緒に過ごした時間は短いながらも濃密で、お互いにとって自分の人生と向き合ういい時間になったことが伝わってくる。この事件が二人を引き寄せ、二人を変えたのだな、と。
ただのサスペンスまんがではなくて、読み終わったときに一つ大人にさせてくれる人生の教科書的なまんがのような感覚を覚える方もいるだろう。
普段、アニメ化されるようなまんがばかりを読んでいるとなかなか出会わない本作。このまんがを知っている自分をほめてあげたい。自分の家の本棚に置いておき、友人が来たときなんかに「それはね、、」なんていいながら オススメしたい名作です。
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作品名 | Last Lad London |
読み | ロスト・ラッド・ロンドン |
作者 | シマ・シンヤ |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 月刊コミックビーム |
巻数 | 全3巻 |
アニメ化 | なし(2023年7月現在) |
映画化 | なし(2023年7月現在) |